ピロリ菌とは
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中にすみつく細菌で、慢性的な胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因となることが知られています。また胃炎が続くことで、将来的に胃がんの発生リスクが高まることがわかっています(胃がんの95%以上においてピロリ菌が関与するとされています)。
ピロリ菌に感染している場合、除菌をすることで胃がんのリスクを減らすことができます。胃炎が長く続くほど胃がんのリスクが高まりますので、なるべく早いうちに自分がピロリ菌に感染しているかを知り、感染している場合には除菌しておくことが重要です。
ピロリ菌は主に幼少期に感染し、そのまま気づかずに保菌していることが多いです。自覚症状がない場合でも感染している可能性があるため、一度検査をすることをお勧めします。
検査方法について
ピロリ菌の検査にはいくつかの方法があり、当院では①〜④のいずれかの方法を用いています(主に①を用います)。保険診療で検査するためには、胃カメラ検査と合わせて行うことが必須となっています。
- 尿素呼気試験:検査薬を服用する前後の呼気を比較して調べる検査法
- 迅速ウレアーゼ試験:内視鏡で組織を採取する検査法
- 血中ピロリ抗体検査
- 便中ピロリ抗原検査
除菌治療について
胃酸を抑える薬を1種類、抗菌薬(抗生物質)を2種類、計3種類の薬を1週間内服します。一次除菌薬で約90%の方で除菌に成功します(当院データでも92%の成功率です)。一次除菌が不成功の場合には二次除菌薬を内服します。ニ次除菌まででほとんどの方で除菌に成功します。二次除菌が不成功の方やペニシリンアレルギーのある方などは、希望に応じて別の抗菌薬を用いた除菌を行ないます(自費診療になります)。
- 一次除菌薬
- ボノプラザン(胃薬)、アモキシシリン(抗菌薬)、クラリスロマイシン(抗菌薬)
- 二次除菌薬
- ボノプラザン(胃薬)、アモキシシリン(抗菌薬)、メトロニダゾール(抗菌薬)
除菌薬内服中の1週間は、禁煙、禁酒となります。
副作用には、皮疹(薬疹)、下痢、軟便、まれに血便、味覚の変化、腹部の違和感などがあります。内服を開始した数日後から、飲み終えた数日後までが副作用の出やすい期間になります。気になる症状がありましたらご連絡ください。
除菌判定と除菌後のフォロー
除菌薬内服後は、除菌に成功したかを確認することが重要です。当院では除菌薬内服終了の約2ヶ月後に尿素呼気試験による除菌判定を行っています。
一度除菌すればピロリ菌に再感染する頻度は低いとされています。
ピロリ菌による胃炎が続くと胃がんのできやすい胃の粘膜に変わっていきます(胃粘膜の萎縮)。除菌により胃炎は改善しますが、すでに生じてしまった胃粘膜の萎縮が正常に戻るわけではないため、胃がんのリスクは残ります。実際、当院で発見される胃がんの多くは、除菌後の定期的な胃カメラ検査中に見つかります。定期検査をしていれば、ほとんどの場合、内視鏡治療が可能な早期の段階で見つかりますので、除菌後は胃の状態に合わせた定期検査を推奨しています。