大腸カメラ検査について
大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)は、肛門からカメラを挿入し、大腸の内側を直接観察することで、ポリープや炎症、がんなどの病変を調べる検査です。便通異常や血便などの症状の原因を調べる他、大腸がんの早期発見・予防においても非常に重要な検査です。
大腸がんの早期発見・予防について
日本における大腸がん死亡者数は近年年間5万人を超える水準で推移し、肺がんに次いで第2位であり、死亡者数を減らすための対策の強化が課題となっています。
日本の大腸がん検診では、40歳からの便潜血検査を推奨しています。大腸がんの死亡率減少効果が証明されている重要な検査ですので、検診などを利用してぜひ毎年受けるようにしてください。便潜血検査では進行がんの約90%を拾い上げることができます。一方、非常に早期のがん(内視鏡治療で根治できるようなもの)の約50%が見過ごされてしまうことが課題となっています。
米国では、以前から大腸カメラ検査による検診を推奨し、大腸がんの死亡率を着実に減少させています。現在では45歳からの大腸カメラ検査による検診を推奨しています(家族に大腸がんの方がいるなどリスクの高い方はさらに早くから検診を始めることを推奨しています)。
大腸がんの多くは、腺腫(良性のポリープ)が癌化することで発生するとされています。大腸カメラ検査のメリットは、腺腫の段階で見つけて内視鏡的に切除することでがんを予防することができること、早期がんの段階でもほぼ確実に見つけられることです。
年齢とともに腺腫の発見率は上がります。男性では年齢と同じくらいの発見率(例:50代=約50%)で、女性ではそれよりも10〜20%低い発見率(例:50代=約30〜40%)です。年齢が上がるにつれて悪性度の高い病変が見つかる可能性が増えていきます。
腺腫などを内視鏡で切除した後は、適切な間隔で検査を継続することで、大腸がんの発生を大幅に減らせることがわかっています。
大腸カメラ検査は、大腸がんの早期発見・予防に非常に重要な検査ですので、検査をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
このような場合に大腸カメラ検査をおすすめします
- 健康診断で便潜血陽性を指摘された
- 便に血が混じる
- 便秘や下痢が続く
- 便が細くなった、残便感がある
- お腹の張りや腹痛がある
- 過去に大腸ポリープを指摘された、あるいは切除したことがある
- 家族に大腸がんになった方がいる
- 40歳以上で大腸内視鏡検査を受けたことがない
- 症状は軽いが一度しっかり調べたい
当院の大腸カメラの特徴
当院では、年間600件を超える大腸カメラ検査を行っています。土曜日も含めて診療日は毎日検査をしています。できるだけ苦痛や負担が少なく、精度の高い検査を目指し、以下のような工夫をしています。
高画質な内視鏡システムを用いた丁寧な観察
当院で採用している富士フィルム社の最新の内視鏡システム(ELUXEO8000)/内視鏡(EC-860P/M)では、高画質画像での検査が可能です。検査中は腫瘍を発見しやすい特殊な観察モード(LCI)も積極的に用いています。丁寧な観察を心がけており、精度の高い検査を行っています(精度は”腺腫発見率”という指標で評価しております)。
日帰りでのポリープ切除に対応
検査中にポリープが見つかった場合、そのまま日帰りでのポリープ切除が可能です。検査時間をしっかりと確保し、十分な治療ができるように心がけています。大きな病変や浸潤が疑われる病変などは、適切な病院にご紹介します。
二酸化炭素(CO2)送気システムの使用
検査中に大腸を膨らませる気体には、空気ではなく、吸収されやすい炭酸ガス(CO2)を使用しています。これにより検査中や検査後の腹部膨満感を軽減しています。
鎮静剤を用いた検査に対応
希望に応じて鎮静剤を使用し、意識下鎮静(呼びかけると反応する程度)で検査を受けていただけます。以前の検査の時に痛みが強かった方、検査中に痛みが強い場合などは、鎮静剤や鎮痛剤を追加して対応しています。
検査の流れ
- 検査の予約
- 医師が診察し、検査日を決めます。ポリープを切除した場合、治療後に出血するリスクがありますので、検査後1週間程度は重要な用事や旅行などのない日程でご予約ください。
看護師より、検査の注意点について説明します。 - 検査前日
- 検査前日は、事前に購入していただいた大腸検査食を、朝・昼・夕食に召し上がっていただきます。検査食が苦手な方やアレルギーをお持ちの方はご相談ください。
夜20時に下剤3錠を服用します(翌朝に排便を促す目的です)。 - 検査当日(自宅)
- 当日は朝から検査が終了するまで絶食です。
朝6時30分から、自宅で腸管洗浄液1.8Lを4時間かけて飲んでいただきます。5〜10回程度排便し、「淡い黄色で、カスのない排便状態」にします。
途中で気分が悪くなった、吐いてしまった、強い腹痛を自覚した、排便がない、アレルギー症状が出た、などの場合は、すぐに服用を中止し、当院にご連絡ください。 - 検査当日(病院)
- 予約時間にご来院ください。
来院されたら排便の色を確認し、検査できない排便状態の場合は浣腸処置などを行う場合があります。
検査着に着替え、検査用のパンツを履いていただきます。
検査台に横になっていただき、腸の動きを抑える薬と、希望された方には鎮静剤を静脈注射します。
肛門から内視鏡を挿入し、検査を行います。所要時間は15〜20分程度です。ポリープを切除する場合は、追加で時間がかかります。 - 検査後
- 画像を見ていただきながら結果を説明し、結果の説明用紙をお渡しします。
鎮静剤を使用した場合は、ベッドで30分以上休んでいただいてから結果を説明します。
検査後、お腹の張りや痛みがなければ、飲食可能です。
検査後は以下の点にご注意ください
- 鎮静剤を使用した場合、当日は車・バイク・自転車の運転はできません。当日は家族に送迎してもらう、または公共交通機関をご利用ください。
- ポリープを切除した場合、治療後に出血するリスクがあるため、検査後3日間は辛いものなどの刺激物、飲酒、激しい運動を控えてください。また、旅行などの遠出は1週間程度控えてください。
- 強い腹痛や出血などがある場合は、速やかに当院へご連絡ください。